
サプリメントに代表される成分に、コエンザイムQ10があります。
コエンザイムQ10とは、ビタミンと同じく体内の酵素の働きを助ける、補酵素と呼ばれる栄養素となります。
細胞はATPという物質をつくることで、体を動かすエネルギーを生みだすのですが、そのATPの産生に欠かせないのがコエンザイムQ10です。
このコエンザイムQ10が、アルツハイマー型認知症の予防効果を示しています。
コエンザイムQ10には、もう一つ強力な抗酸化作用という特徴がありますが、脳内においてもこの抗酸化作用が、アルツハイマー病の原因物質に対しても有効のようです。
アルツハイマー病の原因とされる物質に、アミロイドβといわれる脳の神経活動によってうまれる副産物の存在が注目されています。この物質は、脳内でかたまり蓄積されます。
アルツハイマー病のモデルマウスを用いた実験で、このマウスにコエンザイムQ10を投与したところ、脳内酸化マーカーが抑制され、さらにアミロイドβの低減作用が認められました。
コエンザイムQ10は、これまで疲労回復や美容という点で注目されてきましたが、抗酸化作用による認知症予防効果にも今後注目が集まりそうです。
Dumont M, Kipiani K, Yu F, Wille E, Katz M, Calingasan NY, Gouras GK, Lin MT, Beal MF.(2011)
“Coenzyme Q10 decreases amyloid pathology and improves behavior in a transgenic mouse model of Alzheimer’s disease.”
J Alzheimers Dis. 2011;27(1):211-23. doi: 10.3233/JAD-2011-110209.
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