
推奨される8時間の睡眠時間に満たない人は、思考が妨げられたり、同じ考えをめぐらせたりとうつや不安傾向のような状態になりがちであるとビンガムトン大学・ニューヨーク州立大学の研究者らが報告してます。
思考が中断したり反芻思考したりする個人の睡眠時間や睡眠のタイミングを研究者らは調査、
52名の成人対象者は、睡眠習慣を調査された後、感情的反応を引きおこすよう意図された様々な絵を閲覧させられました。
研究者らが、対象者の眼の動きを通じて注意力をトラッキングし測定した結果、定期的に睡眠が中断することは否定的な情報から別の情報に注意を転換しづらくさせるようだということがわかりました。
これはつまり、不十分な睡眠が否定的な堂々巡りの反芻思考を招いたり、物事に執着しすぎる状態を招いてしまったりするということを意味しています。
本研究の対象者は、頭の中にある思考に執着する傾向がある程度見られていて、否定的な思考が強くなるとそれから離れづらくなり、否定的な刺激を受けた際にもそれを頭の中から無くしてしまうことが難しい傾向になったとの事。
他の人々では、ネガティブな情報を受けた後でも気持ちや思考を切り替えることができたましたが、本研究の対象者では否定的な情報を無視することができませんでした。
これらの否定的な思考は様々な精神的心理的疾患に対してこれらの人を脆弱にすることが考えられ、うつや不安などを引きおこす原因になる、と研究者は指摘します。
とくに、時間をかけてその深刻性は増し、否定的な反芻思考が不安やうつなどの精神疾患に関連するとすれば、より重要性は増加する可能性があります。
睡眠の中断性と否定的思考の強迫性を無視していくことに役立てる基本的なプロセスの関連性について検討している研究者としては、これらの知見は目新しいものです。
研究者らは今後さらに検討を重ね、睡眠のタイミングと睡眠時間が精神神経性疾患の増悪や治りづらさにどの程度貢献している可能性があるのかについて調べていくことにしているとの事。
研究者らの仮説が正しければ、不安感やうつ傾向のある患者は適切な睡眠パタンを促すことによって治療をして行くことができる可能性があるということになります。
出典:Shorter sleep duration and longer sleep onset latency are related to difficulty disengaging attention from negative emotional images in individuals with elevated transdiagnostic repetitive negative thinking.Journal of Behavior Therapy and Experimental Psychiatry Volume 58, March 2018, Pages 114-122