
「AGEs」という物質をご存知でしょうか。
『歳を取る』という意味ではありませんが、老化に深く関係する物質です。
たんぱく質や脂質が糖と結びつく状態を「糖化」といいます。
そして、糖化が進むとやがて「糖化最終生成物」= AGEsとなり、血管や脳などあらゆる組織にこびりつくように蓄積します。AGEsは、肌のハリを保つ成分コラーゲンやエラスチンといったたんぱく質をキャラメルのように焦がしてしまい、しわやたるみの原因、肌の乾燥や紫外線のダメージを負いやすくなるなどの悪影響をおよぼすことが知られています。
オーストラリアのモナシュ大学の研究チームでは、どのような人にAGEsが溜まりやすいのか成人251名を対象に調査を行いました。調査では、○生活習慣に関するアンケート ○身長・体重・ウエストサイズの測定 ○血圧・血糖値の測定 ○皮膚に蓄積するAGEの量の測定の4項目を調べました。
その結果、AGEsが溜まりやすい人には以下のような特徴があることが分かったのです。
① 年齢が高い(中高年以上)
② 喫煙習慣がある
③ 肉類の摂取量が多い
研究チームによると、肌に蓄積されるAGEsの48%は上記の特徴が要因となるという結論を出しています。
AGEsは上記の特徴以外にも、高血糖の方の体内でも発生しやすいといわれています。
そして、食品の中にもAGEsが多く発生しやすいものがあります。肉類や魚類など動物性のたんぱく質は、焼く・揚げるなど高熱での調理法によってAGEsが多く発生します。同じ温める調理でも、茹でる・蒸すという方法であればAGEsの発生量は5から10分の1しかありません。
筋肉を維持するためにも積極的に摂りたいたんぱく質ですが、調理法ひとつで老化への影響を免れることができます。お肌の健康維持のためにも、AGEsをつくらない生活習慣を身につけてみましょう。
【参考文献】
Kellow NJ, Coughlan MT, Reid CM. Association between habitual dietary and lifestyle behaviours and skin autofluorescence (SAF), a marker of tissue accumulation of advanced glycation endproducts (AGEs), in healthy adults. Eur J Nutr. 2017 Jun 27.
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