
平均年齢72才の健康な男性高齢者48人を被験者とするランダム化比較試験において、就寝前に摂取したタンパク質(カゼインを40g)であっても就寝中に消化・吸収されて筋原線維の合成に用いられることが示された。
老化による筋肉の減少は、タンパク質摂取に対しての体内での吸収不良に起因することが確かめられている。就寝前のタンパク質摂取が吸収不良の改善策として有効的に効果を発揮することが考えられている。
本件研究では高齢者の食事タンパク質の消費、吸収速度及び、夜間でのタンパク質合成速度に対して、就寝前のタンパク質摂取の有効性を評価した。
平均年齢72才の健康な男性高齢者48人を被験者とするランダム化比較試験において、就寝前に摂取したタンパク質カゼイン40g、20g、20gカゼイン+1.5gロイシンをそれぞれで摂取させたところ、就寝前に40gカゼインを摂取させた群が筋肉繊維への変換率が高かった。
就寝前にタンパク質を摂取することで、夜間に適切に吸収、筋肉繊維合成速度を加速させる。これらの結果は、現在、高齢者の筋肉量低下に対して、筋肉量の増加を目指す栄養戦略を提供できる。
【出典】
Protein Ingestion before Sleep Increases Overnight Muscle Protein Synthesis Rates in Healthy Older Men: A Randomized Controlled Trial. 2017 American Society for Nutrition