
高齢化社会をむかえる我々にとって、高齢者の認知症の問題は深刻です。
決して他人ごとではなく、認知症患者の介護をする家族にとっても切実な問題になってきます。
内閣府によると、65歳以上の認知症高齢者数と有病率の将来推計は、2025年には約5人に1人が認知症患者になると推計されています。今現在も、様々な研究がされていますが残念ながら特効薬はなく、緩やかに進行していく場合は本人も自覚症状に気付かないことも多くあります。
しかし、認知症を早期に発見することで、大幅に病気の進行度合いが変わってきます。日常生活に支障がなくても記憶力や言語能力、判断力などで少しでも以前とちがう、おかしいと感じた場合は早めに専門医の診察を受診することが重要です。
また、健常者と認知症の中間にあたるMCI(Mild Congnitive Impairment:軽度認知障害)の段階でしっかりと認知症予防に取り組めば、認知症の発症を防ぐことができます。
南オーストラリア大学栄養生理学研究センターにおいて、MCIの高齢者に対するEPAおよびDHAの効果についての研究が行われました。その結果、うつ症状や生活の質、記憶および言語流動性などが改善されました。
EPAおよびDHAの摂取量の増加は、MCI高齢者の精神的健康に有益であり、認知症に進行するリスクが低下する可能性があります。食事で補えないEPA・DHAをサプリメントで摂取することにより、早めの認知症予防に取り組みましょう。
【参考資料】
Effects of n-3 fatty acids, EPA v. DHA, on depressive symptoms, quality of life, memory and executive function in older adults with mild cognitive impairment: a 6-month randomised controlled trial.
PMID:21929835
- 次の記事:ヘアカラーでかぶれてしまったのに、使い続けるとどうなりますか?
- 前の記事:アミノ酸の種類