
年末年始の忘年会・新年会で胃薬を手放せなかったという方、多いのではないでしょうか。
一口に「胃の調子が悪い」と言っても、その症状は「痛む・もたれる・胸やけがする・食欲が無い」など様々で
原因も異なります。胃腸薬は胃の働きを助けるタイプと胃酸の出すぎを抑えるタイプの2つが主流ですが、
これらは反対の作用をもつので、間違ったタイプを選ぶと逆に症状が悪くなる可能性もありますので注意が必要です。
主な胃腸薬の種類は下記となります。
◇H2ブロッカー
胃酸の過剰な分泌を抑えることで、胃の粘膜が傷つくことを防ぎます。15歳未満・80歳以上の人は服用できません。
◇制酸薬
余分な胃酸を中和し、胸やけなどの症状を和らげます。
◇胃粘膜保護薬
胃の粘膜を保護し、胃酸などの刺激から胃を守ります。
◇消化薬
炭水化物やタンパク質、脂肪に働きかけ、消化吸収を促進します。
◇健胃薬
胃に刺激を与え、胃液の分泌を促し、運動を活発にして、食欲不振・もたれ・胸やけなどの症状を和らげます。
生薬成分が中心で、その芳香や苦味・辛味で唾液の分泌を促す、胃液の分泌を盛んにする、消化器全体の運動を誘発する
などの作用があります。
◇総合胃腸薬
健胃薬・制酸薬・消化薬などの成分を配合しています。
◇鎮痛・鎮痙薬
胃の運動をコントロールする副交感神経に作用し、胃腸の過度な運動や緊張を緩め、痛みを和らげます。
空腹時や夜中に胃が痛い・胸やけがひどいときは、出すぎた胃酸を中和する「制酸薬」や、胃酸の分泌を抑えるのに効果がある
「H2ブロッカー」など、胃粘膜を保護する成分が配合されている医薬品を選びましょう。
突然胃が差し込むように痛むときは「鎮痛鎮痙薬」が良いとされています。
食後に胃がもたれる・食欲が無いときは胃の運動機能が低下している可能性がありますので、胃の蠕動運動を助ける薬や、
生薬や健胃剤の入った胃腸薬がおすすめです。
食べすぎによる胃のもたれは、消化剤や健胃剤によって胃の消化を促進し、胃の運動を活発にすると効果的です。
二日酔いにはバランスのとれた成分で胃の働きを助けるタイプの胃腸薬がおすすめです。制酸剤、たんぱく分解酵素、粘膜修復剤、
健胃生薬などが配合されたドリンクタイプが便利です。
普段特に食べ過ぎるわけでもなく、お酒の量が多くないという人でも、逆流性胃腸炎などの症状を訴える人も
近年増えてきています。食生活はもちろんですが、運動不足やストレスのたまる生活も胃腸にとっては
負担となってきます。
胃腸薬と上手に付き合い、胃にやさしい生活をおくっていきましょう。
参考文献:ドラッグストアQ&A(薬事日報社)
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