
長期入院の高齢者の筋肉を再建するのに、ホエイたんぱく質のサプリメントが有効であるようだ、というカナダ・マクマスター大学からの研究報告。
研究チームは、65-80歳で非喫煙、非糖尿病の男女31名を対象に2群に分け、1群にはホエイたんぱく質サプリメント、別の1群にはコラーゲンペプチドを5週間与えた。
1週目は通常食、2週目はカロリー制限食(-500kcal)、3-4週目はカロリー制限食で1日の歩数を750歩未満に制限(入院時の身体活動を再現)、5週目は通常に復帰(リカバリー)。
1週目から2週目に、および2週目から3-4週目に移行すると、両群で有意な脚部筋肉量の低下が観察された。研究チームでは、コラーゲンペプチド群のほうがホエイたんぱく質群に比べて、有意に筋肉量を低下させるだろうと予想していたが、実際には両者の筋肉量は同じだけ失われ、両群間には有意差がみられなかった。
リカバリーにおいては、ホエイたんぱく質群にのみ骨格筋の増加が観察された。
コラーゲンペプチドはロイシンやその他必須アミノ酸が少ないので、高齢者には適当ではないだろう、と筆頭研究者のサラ・オイカワはコメントしている。
出典:A randomized controlled trial of the impact of protein supplementation on leg lean mass and integrated muscle protein synthesis during inactivity and energy restriction in older persons. The American Journal of Clinical Nutrition, Volume 108, Issue 5, 1 November 2018, Pages 1060–1068
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