
亜鉛欠乏は、腎臓のナトリウム代謝に影響することで高血圧に寄与するようだ、という米国ライト州立大学からの研究報告。
亜鉛欠乏症は、2型糖尿病や慢性腎疾患などの慢性疾患の患者で一般的である。亜鉛レベルが低いことはまた高血圧の高いリスクに関連している。腎臓は尿中にナトリウムを排出か再吸収するが、特に塩化ナトリウム・コトランスポーター(NCC)と呼ばれる経路は、血圧の制御にも重要な役割を担っている。尿中のナトリウムの低下はより高い血圧に関連する。最近の研究は、亜鉛がNCCを制御するたんぱく質を制御する助けになることを示唆しているが、亜鉛欠乏が高血圧を直接もたらすかどうかは証明されていなかった。
研究チームは、亜鉛欠乏の雄マウスを健康なマウスと比較した。亜鉛欠乏マウスは、高血圧を発症し、同時に尿中ナトリウム排出が低下した。対照マウスにはみられなかった。亜鉛欠乏マウスに亜鉛を摂取させると、血圧が低下し、尿中ナトリウム排出が増加した。
「これらの顕著な知見は、腎臓のナトリウム再吸収の促進が亜鉛欠乏誘導性高血圧において重要な役割を果たしていることを証明している」と研究チームは述べている。
「亜鉛欠乏が高血圧に寄与する特異的なメカニズムの理解は、慢性疾患における高血圧治療において重要な影響を持つだろう」と研究チームはまとめた。
出典:Clintoria R. Williams. Zinc Deficiency Induces Hypertension by Promoting Renal Sodium Reabsorption. PubMed30649891
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