
定期的な身体活動をすることはより良い食習慣につながるかもしれない、という米国テキサス大学からの研究報告。
研究チームは、定期的な身体活動とダイエットをしていない2,680名の若年成人を対象に検討を行った結果、それまで座位中心だった参加者が数週間の運動によって、脂肪の少ない赤身肉、果物、野菜を選ぶ傾向を高めることを発見した。
参加者は、ヒューストン大学とアラバマ大学の学生だった。週30分未満の運動しかしていない参加者は、15週間にわたって、1回30分の有酸素運動を週3回するように指導された。
参加者は、彼らの食事を変えるような指導はまったく受けなかったが、自然に変化したという。本研究はその変化の背後で働くメカニズムを明らかにするものではないが、先行研究では中程度の運動が高脂肪食への嗜好を減らし、それが脳内のドパミンレベルの変化に連動しているという動物実験の報告がある。幾つかの研究では、運動強度と食欲制御ホルモンの分泌量の関連も示唆されている。
「身体的に活発になるプロセスが食行動に影響するようだ」と責任著者のモリー・ブレイは語っている。「我々が運動を奨励する理由のひとつには、健康な習慣が他の領域にも影響を及ぼすことがある。このコンビネーションは極めてパワフルである。」
ブレイは、運動によって食品に対する嗜好が変化する仕組みは恐らく幅広い世代に共通のものであろうと言う。研究では18歳から35歳の人々を対象としており、これは健康的な食習慣を形成する重要な時期にあたる。先行研究は、問題のある体重増加は20-22歳で起きることが多いことを発見している。
出典:The influence of 15-week exercise training on dietary patterns among young adults. International Journal of Obesity (2019)
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